第36回日本診療放射線技師学術大会は、2020年10月23日(金)~25日(日)の3日間、宮城県仙台市の仙台国際センターでの開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を踏まえ、開催及び開催方法につきまして検討を進めてまいりましたが、未だ感染終息の目途が立たない状況を受け、(公社)日本診療放射線技師会理事会において審議を行った結果、今回の学術大会を2021年1月8日(金)~31日(日)の日程で、規模を縮小し全てWeb形式で開催することに決定いたしました。開催内容は、会長講演(動画)、教育講演(動画)、JART企画(動画)、ベーシックセミナー(動画)、一般演題(静止画)、企業展示(動画)を予定しております(動画は、ライブではなくオンデマンド配信)。

本大会はメインテーマとして「国民と共にチーム医療を推進しよう」を挙げ、サブテーマを「人と技術をつなぐ令和の未来へ」といたしました。年号が「平成」から「令和」へと変わり、「アナログからデジタルに」「装置機能の多様化」等、我々を取り巻く環境も大きく変化する中、過去の技術を見つめ直して継承し、そこへ新しい技術を融合させていくための基礎を見つめ直すことを考えて企画されていただきました。

また、2020年4月1日から医療法施行規則の一部が改正され、管理者が確保すべき安全管理の体制として「医療放射線に係る安全管理」が追加され、安全管理責任者の配置や指針の策定、職員研修の実施、医療被ばくの線量管理・記録が求められることとなります。これは、2008年に国連科学委員会(UNSCEAR)から出された報告書の中で、我が国のCT等の放射線診断機器数並びに患者1人当たりの放射線診療の検査件数及び被ばく線量が世界各国と比較して高いことが指摘されました。2017年8月3日には、日本学術会議が「CT検査による医療被ばく低減に関する提言」を公表し、医療被ばく低減に向けた今後の方向性が示された点にあります。今回の学術大会で、これらの改正に対する運用や線量の最適化、診療放射線技師養成カリキュラムの改正及びタスクシフト等、我々を取り巻く環境の変化に関する情報提供が出来ればと考えております。

本学術大会は、年1回の定期開催で日本全国のみならずアジア各国の診療放射線技師よる学術発表や学術講演等が行われ、放射線技術を研究し医療の発展に寄与すると共に会員の資質向上並びに会員相互の親交を図ることを目的として開催致してきました。今回は杜の都仙台での開催で、実行委員一同、東京オリンピックに負けない「おもてなし」の心を持って、皆様の参加を心待ちにしておりましたが、新型コロナウイルス感染症対策として、Web形式による学術大会となり仙台へお越しいただくことが出来なくなりました。

しかし、Web形式によりいままで参加が難しかった会員にも、気軽に参加できる学術大会となっております。この学術大会が今後の診療放射線技師の活動の方向性を考える一助となれば幸いです。ぜひ「第36回日本診療放射線技師学術大会」にご参加いただけますように、心よりお願い申し上げます。


第36回診療放射線技師学術大会 大会長 立花茂